平成26年6月7日、あいにくの天候ではあったが、青山墓地に於いて、施主 頭山興助氏による「無名烈士90年忌法要」が執り行われ、弊会からは<代表呼掛人>として、山口 申、犬塚博英、<呼掛人>として丸川、横山、大熊が参列した。
本年度は法要再興十周年でもある。 大正13年5月31日早朝、赤坂米国大使館隣接地にて、当時日本国民挙げてその不法に憤っていた、いわゆる「排日移民法」に抗議し、自ら短刀で命を絶った烈士があった。 米国政府ならびに同国国民に猛省を求めるその遺書には、自らを「無名の一民」とのみ記し名を秘した、まさに「志士」たる義挙は我国民の心を打ち、対米抗議は国民運動へと発展していく。 のち、頭山満、内田良平、田中弘行翁を発起人代表として「無名烈士国民弔祭会」が開催され、来弔者は3万人を数え、翌年の一周忌に際し、現在の地に墓地を得た。 施主 頭山興助氏 その壮大な石碑は、頭山満翁の書による「嗚呼無名烈士之墓」と題され、内田良平翁の撰をもって碑文を誌された。 無名烈士の遺書 サイラス・イ・ウッヅ閣下を通じてアメリカ合衆国国民諸君の同情に訴ふ 最も能く日本を了解せられて、深く厚く日本に同情を寄せられたる米国大使サイラス・イ・ウッヅ閣下の帰国に託して、全米国の反省を望む為め、死を以て切願す。大使閣下諒とせられんことを祈る。 米国民の反省を望む用件左(ママ)の如し 一、新移民法から排日条項を削除する法案を決議せられんことを 予が死を以て排日条項の削除を求むるものは、貴国が常に人道上の立場より平和を愛好唱道せられ、平和の指導者として世界に重きを思はしめつつある貴国が、率先して排日法案の如き人道を無視した決議を両院通過して法律となるが如きは、実に意外の感に耐えざるなり。 人類生存上、憤怒する場合種々あるも、恥辱を与へられたる憤怒は耐え難きものなり。恥しめらるべき事情ありて恥しめらる、大いに悔い忍ばざるべからず。故なくして恥しめらる、憤怒せざらんと欲するも耐へ難きなり。予は日本人なり。今将に列国環視の前に於て、貴国の為めに恥しめらる。故なくして恥しめらる(故ありと言はば貴国の故にして他に通ぜざるの故なり)。生きて永く貴国人に怨を含むより、死して貴国より伝へられたる博愛の教義を研究し、聖基督の批判を仰ぎ、併せて聖基督によりて貴国人民の反省を求め、尚一層幸福増進を祈ると共に、我日本人の恥しめられたる新移民法より排日条項の削除せられんことを祈らんとするにあり。 大日本帝国 無名の一民 なお、当日は法要閉式後、場所を移し、 「無名烈士の義挙が我々に投げ掛けるもの」 「改めて考える対米関係」をテーマとして 記念座談会が開催され、意義深い場を持つこととなった。 以上、報告致します。
by minkaku-okuma
| 2014-06-17 16:16
| 行事
|
ファン申請 |
||